「平屋」関心は6割超――家事ラク・安心・“半屋外”の楽しさが後押し
LIXIL住宅研究所が8月17日に実施した「平屋の魅力に関する調査」では、今後の住まいとして「平屋にしたい(している)」25.6%
「平屋を検討したい(で検討中)」39.8%=計65%超が平屋志向という結果になりました。
魅力の上位は、①家事・生活動線が効率的(35.6%)②階段がなく効率的(33.1%)③誰もが安心して暮らせる(32.8%)でした。
さらに、屋内外の中間領域「ミッドテリア(外からの視線を遮る半屋外空間)」には89.2%が興味ありと回答し、LDKとつながる“外リビング”への期待が高いことがわかります。
データで見る「平屋回帰」:比率は上昇トレンド
注文住宅の階数構成を見ると、2階建てが多数派であるものの、平屋のシェアは着実に上昇。リクルート「注文住宅動向・トレンド調査」では、2024年の平屋比率は22.1%まで拡大(地域差あり:九州・沖縄47.1%、北関東39.3%、首都圏・近畿は1割前後)。
土地が確保しやすいエリアほど平屋が選ばれやすい実態が示されています。
また、国交省の建築着工統計をもとにした業界分析でも、1階建(平屋)の比率は2008年8.0%→2024年17.0%へと“約2倍”に。平均床面積は97.6㎡と、家族が暮らせる実用的な広さが確保されている点も普及の追い風です。
平屋人気の背景にある「暮らし方の変化」
近年の平屋人気の高まりの背景には、家族構成やライフスタイルの変化も大きく影響しています。
かつては子どもが二人以上いる家庭が多く、広い2階建て住宅が主流でした。しかし、少子化や核家族化が進み、コンパクトながらも快適な住まいが求められる時代になっています。
また、テレワークの普及により「家の中で過ごす時間の質」を重視する人が増えました。平屋は上下階の移動がない分、家族の距離が近く、リビングを中心にした開放的な間取りを取り入れやすいのが特徴です。
さらに、将来的に子どもが独立しても夫婦二人で住みやすいサイズ感を保てるため、「一生の住まい」として検討する人も増えています。
こうした社会背景も、調査で6割以上が平屋を希望するという結果につながっているといえるでしょう。
なぜ平屋に惹かれる?—生活者目線の“3大メリット”
1)家事・生活動線が短い=毎日のラクが積み重なる
洗濯機と物干し場を近づける、玄関~キッチンの距離を詰める、回遊動線で行き止まりをなくす――ワンフロアの平屋は、こうした動線計画と相性が抜群。共働きや子育て世帯ほど“家事タイパ”の恩恵が大きくなります。
2)段差・階段がない安心=子育ても介護も“ずっと暮らせる”
転倒リスクの低いフラットな床、寝室やトイレ・洗面が同一フロアで完結する利点は、「小さな子ども~高齢者まで安心というLIXIL調査の結果とも合致。将来的なバリアフリー改修の自由度も高く、終の住まいとして選ばれる理由です。
3)“半屋外”の楽しさ=ミッドテリアで暮らしが外にひろがる
視線を遮りつつ光と風を取り込む「ミッドテリア」は、外リビングとしてBBQやくつろぎに人気。雨の日も軒下で外を楽しめる、という生活価値が高い評価を集めています。大開口でLDKと連続させれば、実面積以上の広がりを感じられるのが平屋の強みです。
平屋の“気になる点”:敷地・コスト・プライバシー
もちろん、平屋にも検討上の注意点があります。
敷地の広さ:同じ延床面積なら2階建てよりも大きな敷地が必要になりがちです。都市部では土地のコストもかかります。
建築コストの見え方:基礎・屋根面積が広くなり、坪単価が上がることも。資材・人件費の高止まり下では、総額管理と性能・設備の優先順位付けがカギ。
採光・通風・防犯計画:ワンフロアゆえに奥の居室の採光や開口部の防犯配慮が重要。
中庭/コの字・ロの字プラン、ハイサイドライト、目隠し塀や外構計画で解決するのが定石です。
・ 具体策:後悔しない平屋づくりのポイント
動線は“家事→育児→介護”まで想定
ランドリー動線短縮、玄関~パントリー直通、回遊キッチン、将来の引き戸・段差解消などは初期計画で。水回りは集中させ、配管経路を短く保つと故障・メンテにも有利です。
ミッドテリア/中庭で“外を取り込む”
外からの視線はカットしつつ、LDKとフラットにつながる半屋外を計画。可動ルーバーや深い軒で日射調整もしやすく、雨天でも居場所が確保できます。
商品提案でも平屋×ミッドテリアの組み合わせが増えています。
・地域差×土地条件を読む
平屋比率は地方圏で高く、都市部で低い傾向。駅距離・周辺相場・日照条件と合わせ、平屋の価値が活きる土地を選ぶと総合満足度が上がります。
性能とランニングコストを“セット”で
平屋は屋根・外皮が大きい分、断熱・遮熱・換気の設計最適化が光熱費を左右します。
庇×通風計画、太陽光+蓄電池の相性も良好。将来のメンテナンス動線(屋根点検のしやすさ等)も平屋の持ち味です。
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