6割以上が持ち家派-省エネ性能表示の認知と住宅選び
先日、全国宅地建物取引業協会連合会と保証協会が発表した「2025年住宅居住白書」では、住まいや不動産に関する意識の最新動向が示されました。
その中でも特に注目すべきは、「持ち家派」の割合が過半数を超えているという点と、「省エネ性能表示制度」に対する認知度がまだ低いというギャップです。
今回は、調査内容を整理しながら、なぜ多くの人が“持ち家”を望むのか、その背景も交えて、解説をしていきます!
“持ち家志向”と“認知度のギャップ”
1. 「持ち家派」が6割超え、戸建て希望も多数
調査対象の20~65歳男女5,000人に対し、「持ち家派(マンション・一戸建てを含む)」と答えた人は63.0%。そのうち「一戸建てを持ちたい」と答えた割合が46.1%と、かなりの割合を占めています。
一方、「賃貸派」は全体の約20%弱という結果でした。
この結果からは、多くの人が“自分の家を持ちたい”という強い意識を抱いていることが見えます。
2. 「買い時感」の変化と背後要因
「今、不動産は買い時だと思うか」という質問には、20.8%が「買い時だ」と回答(前年度比 +1.6ポイント)。その理由の最多は「今後、住宅ローン金利が上昇しそうだから」でした。
逆に「買い時ではない」という意見のトップ理由は「価格が高騰しすぎて手が届かないから」。
つまり、金利上昇への懸念と価格上昇への不安が、消費者心理に相反する力を与えているのです。
3. 省エネ性能表示制度の認知は“低水準”
2024年4月からスタートした「建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」については、46.1%が「まったく知らなかった」と回答。
制度を知っていて、今後住まい選びの参考にしたいと思っている人を合わせても、21.5%どまりでした。
制度の概要を説明する不動産系サイトによれば、この制度は新築・既存住宅で省エネ性能を“見える化”し、断熱性・エネルギー消費量・光熱費目安などを表示するもの。
お客様が性能を比較できるようにする意図があります。
不動産広告で省エネ性能ラベルを見たことがあるかどうかを問う調査では、新築一戸建て(建売)の購入者では約80%が「見たことがある」と答えているというデータもあります。一方、賃貸物件ではラベルを見たことがある割合が低いという傾向もあります。
このように、「制度自体の存在を知らない人」が多数いる一方、物件を探している段階の人の間では“ラベルを目にする機会”は増えてきているようです。
なぜ“持ち家志向”が根強いのか
調査結果を前提に、持ち家を望む理由を、他のサイト・業界知見をもとに整理してみます。
1. 資産性・投資性
持ち家は、貸せば賃貸収入になったり、将来的に売却可能な資産になります。賃貸では支払い続けても資産として残らないのに対し、持ち家は資産になるという観点が大きな魅力とされています。
2. 将来の住居費軽減
住宅ローンを完済すれば、家賃や賃料の支払いを続ける必要がなくなるため、住居コストが抑えられるという見通しがあります。
3. 自由度・リフォーム性
持ち家であれば改築・リノベーション・DIYなどが自由にできるというメリットが挙げられます。賃貸だと制約が多い場合があります。
4. 税制優遇・制度的メリット
住宅ローン減税、固定資産税の特例、相続税・贈与税対策など、持ち家ならではの税制上の優遇措置を期待する人も少なくありません。
5. 心理的安心感・自己所有感
「自分の家がある」という安心感、自分の思い通りにできる場所という意識、年齢を重ねたときに“住むところ”を確保しておきたいという願いも、根強い動機になっているようです。
もちろん、維持費・固定資産税・修繕コストなどは負担になりますが、それらを上回って“所有したい”という意識が根強く残っていると考えられます。
神奈川【横浜】エリアの持ち家実態
全国平均と比較すると、横浜・神奈川エリアは持ち家志向が特に高い地域です。
横浜市全体の持ち家率は約58%で、区によっては60%を超えるエリアもあります。戸塚区・泉区・港南区・金沢区など、郊外部で特にその傾向が強く、一戸建て率も全国平均を上回ります。
神奈川県全体でも持ち家世帯は約59%を占めており、全国調査で示された「持ち家派63%」という結果と歩調を合わせる形です。
なぜ横浜・神奈川で持ち家志向が強いのか
この地域で持ち家志向が根強い理由は複数あります。
・宅地開発の歴史
港南区・戸塚区などでは、昭和後期から大規模な宅地造成が進み、分譲戸建て団地が数多く誕生しました。こうした街並みが“持ち家=一戸建て”を自然にイメージさせる土壌を作っています。
・郊外でも交通利便性が高い
横浜市西部や県央地域は都内へのアクセスが比較的良く、価格も都心部より抑えめ。土地付き戸建てを現実的な価格で購入できることが、購入意欲を支えます。
・資産価値の期待
東京圏のベッドタウンとして人気が高く、将来的な売却や賃貸活用など資産としての安定感が評価されています。
・地域コミュニティ志向
子育てや老後を見据え、長く同じ地域で暮らしたいというニーズが強いことも特徴です。
・省エネ制度浸透への課題とチャンス
全国的に認知度が低い省エネ性能表示制度ですが、横浜・神奈川では新築戸建て・分譲マンションが多く供給されており、今後は表示義務化に向けた動きが加速する見込みです。
最後に
調査から見えてくるのは、「持ち家志向の強さ」と「省エネ性能表示制度の認知不足」という二つの現実です。
横浜・神奈川は持ち家率が全国平均を上回るエリアであり、その背景には宅地開発の歴史や資産価値への期待があります。
一方で、これからの住宅選びには「省エネ性能」という新たな基準が重要になっていくでしょう。
持ち家を検討する方にとっては、価格や金利だけでなく、省エネ性能を含めた総合的な視点での判断が求められます。
地域特性を理解しつつ、将来を見据えた住まい選びがこれからの横浜・神奈川の住宅市場ではますます重要になりそうです。
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