なぜ今も“湾岸タワマン”が選ばれるのか?
東京都の湾岸エリア――晴海や勝どきを中心に、超高層タワーマンション(以下タワマン)が再び注目を集めています。
数年前には8,000万円で購入できた物件が、現在では2億円近い価格にまで高騰。
かつては「埋立地」「交通アクセスが不便」と言われたこのエリアが、なぜこれほどまでに人気を得たのでしょうか。
・タワマン価格高騰の背景
湾岸エリアのタワマンが高騰した大きな理由のひとつは、「再開発の進行と交通利便性の向上」です。
特に勝どきエリアでは「パークタワー勝どき」をはじめとする大規模複合開発が進み、商業施設や公園、教育環境の整備が一気に進みました。
また、BRT(バス高速輸送システム)や地下鉄延伸計画などにより、銀座・東京駅方面へのアクセスが格段に向上。
「職住近接」や「利便性重視」のライフスタイルを求める層にとって、理想的な立地となっています。
さらに、「リセール(売却)時の価値が落ちにくい」という投資的視点も人気の要因。
実際に、2022年頃に8,000万円前後で販売されたパークタワー勝どきの一部住戸は、現在1億8,000万円〜2億円近くで取引されています。
いわば“令和版の不動産バブル”の象徴とも言える存在です
タワマン長者たちの物語
参加者は次の通りです:
「2LDKさん」:マンションインフルエンサーとして2020年からSNSを中心に発信
「勝どきさん」:中央区「パークタワー勝どき」所有。ベンチャー企業勤務
「晴海さん」:中央区「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」所有。大手企業勤務
「青山さん」:港区「パークコート青山 ザ タワー」所有。経営者
・勝どきさんの場合
「パークタワー勝どきを買ったきっかけは、別のタワマンを所有する友人からの“勧め”でした。ちょうどライフステージが変化していて、『そろそろ家を持っておいてもいいかな』と考え始めたんです。リセール(売却)時の価値が落ちにくそう、というのを第1優先にしてマンションを探しました。そして2022年頃、第1期販売が始まったタイミングで抽選に応募、それに当たったのが購入の決め手でした。購入時の価格が約8,000万円程度。今では不動産サイト上で2億円弱で売りに出されています。実際には少し低めで取引されていると考えても、価格がほぼ倍になっている感覚です。」
・晴海さんの場合
「私は2018年頃からタワマン探しを始め、最初に内側(山手線内側)の数千万円のマンションを購入しましたが、家族で住むには狭すぎたため、2020年頃から2軒目を探し始めました。いろいろ探していたところ、晴海フラッグの抽選販売が始まり、決め手は“割安さ”でした。当初、同じエリア(中央区・湾岸)のマンション坪単価はおおよそ300万円〜350万円でした。しかしコロナ禍で五輪延期になり、晴海フラッグの販売も一時中止。再開した頃には周囲の別マンションの坪単価は400万円オーバーになっていました。その中で晴海フラッグだけ価格据え置きでもう一度売るという情報が流れていて、『これは安いな』と直感しました。1軒目のマンションは今、賃貸に出しています。」
なぜ湾岸エリアのタワマンはここまで人気?
ここからは、湾岸エリアのタワーマンションが急激に人気を集め、価格が上昇している背景を整理します。
1. 交通アクセス・都心との近さ
湾岸エリアは、埋立地ながらも都心部へのアクセス性が高く、駅・路線の整備や再開発が進んでいます。
「通勤・移動利便性」が高いことがファミリー/投資いずれの視点でも支持されています。
2. 眺望・開放感・リゾート的雰囲気
海・湾を望む景観と、整然とした街並みが湾岸エリア独特の魅力です。高層階からの東京湾/レインボーブリッジのビューはステータス感もあります。
住む側だけでなく、“資産価値”としての“眺望が良い部屋”という評価も強まっています。
3. 再開発・将来性・需給バランス
豊洲市場移転や晴海・有明エリアの再整備など、街そのものの価値向上が期待されています。
また、新築供給がある程度限られてくる中で、既存タワマンの転売流通が活発で、相場が上がりやすい構図も見えています。
4. 資産としての魅力・リセールバリュー
座談会の参加者も「リセール価値が落ちにくそうなのを第1優先にした」という発言が出るように、購入を“暮らし”と“資産”両面で考える動きがあります。
流通量が多く取引が活発なため、買い手・売り手とも価格の判断もしやすく、結果的に“動きやすい”市場になっているとも言われます。
注意点・“上がるだけ”ではない視点も
ただし、人気が集中しているゆえのリスクも指摘されています。
例えば、同じタワマン・同じ階でも「眺望(レインボーブリッジの見え方・開けた景色かどうか)」で数千万円の価格差が出る例も。つまり“眺望”が資産価値を左右する重要な要因となっており、単に“湾岸=安全”というわけではないというチェックポイントも必要です。
また、価格急上昇の背景には投資マネーや需給のひっ迫も関わっており、将来の供給や維持コスト(管理費・修繕積立金)、災害対応なども意識する必要があります。
まとめ
晴海・勝どきという湾岸タワーマンション市場では、3年前に8,000万円程度だった物件が現在2億円弱の売り出し価格になるという“異次元の上昇”が起きています。
これは単なる偶然ではなく、交通・眺望・再開発・資産性という複数の要因が重なった結果です。
実際に購入を決断した長者たちは、「価値が落ちにくそう」「割安感があった」「眺望・住環境が気に入った」という観点で動いており、投資と住まいを両立させようという意識が強く見えます。
しかし、「眺望」「部屋の向き」「将来の管理コスト」など見落としがちなリスクも存在します。これから湾岸エリアのタワマンを検討される場合は、こうした“上がる理由”と“注意すべきポイント”を両方押さえておくことが重要です。
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