ZEHリノベで睡眠効率UP?既存マンションの新しい価値
近年、住宅業界では「省エネ性能」が大きなテーマとなっています。
その中でも注目されているのが ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス) です。
これまでは主に新築住宅で普及してきたZEHですが、今回、日本で初めて「既存マンションをZEH仕様にリノベーションした場合の効果」を検証する実証実験が行われました。
しかも結果は、単なる省エネだけではなく、睡眠効率や作業効率まで向上する可能性が示されたのです。
今回は、この実証実験の内容をもとに、今後のマンション市場に与える影響について解説します。
ZEHとは?政府が2030年に向けて普及を進める次世代住宅
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、
・断熱性能を高める
・省エネ設備を導入する
・太陽光発電などでエネルギーを創る
といった仕組みにより、住宅の年間エネルギー消費量を実質ゼロにする住宅のことです。
政府は2021年に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」において、
• 2030年以降の新築住宅はZEH水準の省エネ性能を確保する
• 2030年までに新築戸建住宅の60%に太陽光発電を設置する
という目標を掲げています。
つまり今後の住宅市場では、省エネ性能が住宅の標準スペックになっていくことが予想されます。
ただし、ここで大きな課題となるのが「既存住宅」です。
日本の住宅ストックの多くは、現在の省エネ基準を満たしていないためです。
築20年マンションでZEHリノベーションを実証
実験結果:省エネだけでなく睡眠や作業効率にも影響
実証実験の結果、ZEHリノベーション住戸では以下のような効果が確認されました。
夏季の結果
• 室温上昇が通常住戸より 1.1℃抑えられる
• 消費電力量 16.4%削減
• 睡眠効率 4.8%向上
• 作業効率 6.3%向上
つまり、ZEH化によって室内環境が安定し、生活の質が向上する可能性が示されたのです。
冬季の結果
冬季では特に断熱性能の違いが顕著でした。
• 上下の温度差が 0.5℃縮小
• 窓際の冷えが軽減
• 冷たい空気が流れ落ちる「コールドドラフト」が減少
体感としては大きな差ではないものの、窓に触れると温度差は明確だったといいます。
実験結果:省エネだけでなく睡眠や作業効率にも影響
実証実験の結果、ZEHリノベーション住戸では以下のような効果が確認されました。
夏季の結果
• 室温上昇が通常住戸より 1.1℃抑えられる
• 消費電力量 16.4%削減
• 睡眠効率 4.8%向上
• 作業効率 6.3%向上
つまり、ZEH化によって室内環境が安定し、生活の質が向上する可能性が示されたのです。
冬季の結果
冬季では特に断熱性能の違いが顕著でした。
• 上下の温度差が 0.5℃縮小
• 窓際の冷えが軽減
• 冷たい空気が流れ落ちる「コールドドラフト」が減少
体感としては大きな差ではないものの、窓に触れると温度差は明確だったといいます。
断熱性能のカギは「窓」にある
今回の実験で特に注目されたのが「窓」です。
YKK APによると、マンションの中住戸では
• 夏:窓から 約70%の熱が流入
• 冬:窓から 約61%の熱が流出
するといわれています。
つまり、住宅の断熱性能を高めるうえで、窓や開口部の性能が非常に重要なのです。
ZEHリノベーションでは、窓性能を含めた断熱改修が行われるため、室内の温熱環境が大きく改善されると考えられます。
ZEHリノベの課題は「コスト」
一方で、ZEHリノベーションには課題もあります。
今回の実験では、
通常リノベとの差額は約400万円
となりました。
特に費用がかかるのは、既存の断熱材を撤去して新しい高断熱仕様にする工程です。
そのため今後は、
• 電気代削減でどの程度回収できるのか
• 政府補助がどこまで拡充されるか
といった点が普及のカギになると考えられています。
今後のマンション市場は「省エネ性能」が重要に?
国土交通省によると、日本の住宅ストック約5,400万戸のうち
• 省エネ基準適合住宅:約19%
• 無断熱住宅:約23%
と推計されています。
つまり、日本の住宅の多くは省エネ性能の改善余地が大きい状況です。
そのため政府は
• 住宅の省エネ性能表示の努力義務化(2024年4月)
• 省エネ改修の部位ラベル制度(2024年11月)
などを導入し、既存住宅の省エネ化を推進しています。
今回の実証実験は、既存マンションでもZEH化が可能であることを示した、日本初の取り組みでした。
これからのマンション選びは「断熱性能」がカギ
今回の実証実験で明らかになったのは、
省エネ住宅は光熱費だけでなく、生活の質にも影響する可能性がある
という点です。
室温が安定すれば
• 睡眠の質
• 在宅ワークの集中力
• 生活の快適性
などにもプラスの影響が期待できます。
今後の不動産市場では、
• 立地
• 価格
• 築年数
に加えて、省エネ性能や断熱性能が重要な評価ポイントになっていく可能性が高いでしょう。
特に既存マンション市場では、ZEHリノベーションのような省エネ改修が進むことで、住宅の価値の考え方自体が変わる時代が来るかもしれません。
住宅を選ぶ際には、「どれだけエネルギー効率が良いか」という視点も、今後ますます重要になりそうです。
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