不動産の空き家リスク
思いがけない長期入院や、ADLの低下で自宅を長期間留守にせざる負えなくなった時の様々なリスクと資産価値の低下について考えたことはありますか?
郵便受けからあふれたチラシに放火
2週間程度の留守であれば、ご近所さんに一声かければそれほど困る事も無いかと思いますが、近頃はご近似付き合いも希薄だったりするので・・・
近くに親族の方が居れば問題はないのですがそうとばかりは限らず、顕著に一番目立つのは『郵便受け』からの配布物のあふれ。
ポスティング業者のアルバイトは1枚とにかく見る人がいようがいまいがお構いなしにパンパンになったポストへチラシを押し込んでくるのでこれが原因で郵便受けが壊れてしまうこともしばしばあります。
あふれたチラシ、郵便物は火のつきやすい『紙』ストレスのはけ口に放火される可能性もあります。
また近年はこのような空き家の住所を利用して「違法な物品の取引」や「詐欺の拠点」とされることもあるようですので注意が必要です。
茂り放題の庭木、雑草が事故を誘発、賠償責任も。
定期的な手入れを怠るとあっという間に伸びる、茂る、育つ。気が付くと玄関までの道筋を遮られ簡単には家に入る事が出来なくなってしまうことも。ここ近年の温暖化の影響か雑草の育ちも年々早くなっているような気もしています。
ハチの巣ができてします。鳥が巣を作ってしまう・・・・・。
草木も敷地内にとどまっていれば未だ良いのですが隣地へ浸食したり道路にはみ出したりすると他の方に迷惑をかけてしまうばかりか事故つながる事などもあり、その場合は所有者としての責任を問われますのでよくよくご注意ください。
勝手に住み着く獣害
ひと気が無く、食料があれば思いもよらぬ者たちが住み着く事もあります。
ゴキブリなどの不快害虫は当然、ネズミやタヌキも大変多くあります。その他によくあるのがハクビシン。これらは都市部の空き家でもよく聞く話なのでご注意ください。
ネズミやハクビシンは信じられないような隙間から家屋に浸入します。
また、軒先や庭などで野良猫がたくさん住み着く事もあるようです。
詐欺や違法物品の受け渡し場所に・・・
最近は空き家住所宛にネット通販の物品を空き家の住所で受取る詐欺も問題になっています。
通販詐欺だけでなく違法薬物や犯罪の拠点住所として使用されてしまうこともあるそうで事件や事故の現場としてマスコミに取り上げられたりすると嫌な噂の「告知有」不動産となり資産価値が半減する事も考えられます。
好奇心旺盛な子供たちも
庭木が茂り、ひと気が無く人目から隠れられる。雨にもぬれず風も避けられるところは好奇心旺盛な子供には魅力的な秘密基地にうってつけ。
肝試し完感覚で入り込んで探検したり、秘密基地では大人に見つかるとダメな事で楽しんだり最悪は火遊びや喫煙で家事を起こしてしまう事は最悪です。
万が一、空き家敷地内で子供がけがをしたり命を落としたりした場合所有者に管理責任を問われる事もありますのでよくよく注意してください。
特定空き家と認定されてしまったら
空家等対策の推進に関する特別措置法により特定空き家と認定されてしまい状態を改善せずに放置し続けると修繕・撤去勧告が出され、「固定資産税の特例」対象から除外される可能性があります。固定資産税の特例とは、戸建て住宅やマンションなどの居住用不動産に対してかかる固定資産税の課税標準が、小規模住宅用地なら最大1/6まで減額される減税措置です。土地を更地にするとこの特例措置が受けられなくなることから、空き家が増加している原因の一つとされています。固定資産税の特例を受けるためには、空き家の状態を改善してもらう必要があり、行動に移してもらうきっかけとして効果が期待されています。
また、特定空家に指定され、指導・勧告を受けたにもかかわらず改善しなかった場合、命令として改善が促されます。命令を受けても放置し続けた際には、空き家の所有者に対して50万円以下の罰金が科されます。
更に、指導・勧告・命令が出されても状態を改善しなかった場合、最終的に行政代執行で不動産の解体が行われます。行政が所有者に代わり不動産の解体を行うため、当然かかった費用は所有者が全額負担しなければなりません。数百万円の支払いが必要となるケースもあり、支払えない場合は土地や財産の差押えが行われる可能性があります。
住む人が居ないなら早めの処置
空家等対策特別措置法によって、全国の空き家は今後ますます厳しい目で見られることになっています。空き家を放置すればするほど、所有者にとって不利益な状況になりかねません。
住まなくなったのであれば適当な時期に処分しないと子供や孫が大変な迷惑を被る事にもなりかねません。
空家管理という方法もあります。ご一考を!
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