住み替えが急上昇中!調査から読み解く今の不動産市場
「住み替え」が不動産売却理由のトップに:何が背景?
(株)And Doホールディングスが実施した「第3回不動産売却・購入に関するインターネット調査」(対象:2024年1月〜2025年3月に取引経験のある全国20歳以上、回答者832人)によると、不動産売却理由の第1位は「住み替え」で23.3%と最も多く、2位の「不要物件の処分」(19.1%)や「相続」「まとまったお金が必要」(各11.9%)を大きく上回りました。
さらに、同調査では不動産購入理由も分析。「良い物件を見つけたから」が18.2%でトップ、次いで「老後の住まい」(10.5%)、「資産形成」(10.1%)との回答がありましたた。
では、なぜ「住み替え」が突出して多いのでしょうか?今回はその背景を探ります。
世代・ライフステージの多様化
住み替えの動機は、多様なライフステージの変化が背景にあります。
子育て世帯であれば「間取りの拡大」、転勤や介護が必要になれば「移動・バリアフリー化」などの理由があります。
国土交通省の令和5年度住宅市場動向調査でも、住み替え時の重視ポイントに「購入金額・賃料」「周辺環境」が上位に上がっており、住まいの機能や立地に対する需要が高まっていることが読み取れます
物件価格の高騰とローン金利の上昇
購入理由は「良い物件を見つけたから」が増加し、「家賃がもったいない」と感じる人が減少傾向(前回12.4%→今回は9.5%)である点に注目できます。これは、これまで買い替え控えの理由になっていた「家賃との比較」が相対的に弱まり、「買ってもよい」と判断する動機が強まったことを示唆します。
高騰する物件価格とローン金利のもとで「今、条件に合う物件があるなら住み替えたい」という人が増えている可能性があります。
子どもや高齢者の環境づくり
先述した国交省調査では、住み替え時に「周辺環境が良いこと」が重視される傾向にあると報告されています。
例えば、①通学圏や地域施設の整備されたエリアへ転居(子育て世代)②階段や段差の少ない住環境、医療施設へのアクセスが良い場所へ(高齢世代)
といったライフスタイルに応じた住み替え需要が背景にあります。
不要物件処分の増加
売却理由2位の「不要物件の処分」は、19.1%に達し、前回(約14.4%)から4.7ポイント増加しています
。これは、相続や転勤後の空き家化対策、資産入れ替えのための売却ニーズがジリジリ高まっている傾向と理解できます。
結果的に「住み替え」とセットで動くケースが少なくないようです。
情報取得手段の進化と購入先の選び方
売却・購入共に「ネット検索」が最多で、購入は19.3%、売却は17.8%とオンライン中心です。逆に、オフライン広告(看板・チラシ・紙媒体)も約25%に残っており、オンラインと通常広告を組み合わせた情報戦略が功を奏しています。
“情報取得の幅が広がった今”、買い替えの情報も見つけやすくなり、「住み替えを決断しやすい環境」が整いつつあります
意識調査から読み取れる「住み替え意識」の高まり
他の調査も参考にすると、住み替えの動機に次のような傾向があります
・子育て・教育環境の重視(近隣に公園・学校など):住み替え時に重要視
老後の安心を求めた移住(バリアフリー・医療施設アクセス重視):一定層が購入理由として指摘
・資産形成・安定を目的とした購入:購入理由で資産形成が10.1%と高い数値
こうした点からも、住み替えは単なる「暮らしのアップデート」ではなく、将来を見据えた合理的な判断として行われているケースが多いと言えそうです。
住み替えが2割超。その意味は?
1. 住み替えが売却理由で最多(23.3%):転居や生活再設計を意識
2. 上昇する購入ニーズ:「良い物件があれば買いたい」が18.2%
3. 情報環境の充実:オンライン検索とオフライン広告の併用で、住み替え検討が加速
4. 周辺環境・資産価値重視:子育て・老後・資産形成といった明確な目的を持つ購入が多数
これらから、不動産市場では「住み替え」が単なるライフイベントではなく、将来設計の一環として重視されていると言えるでしょう。売却・購入を検討中の読者には、「住み替え」という選択肢も「今を見直す」良いタイミングと捉える価値があるのではないでしょうか。
調査結果から見えたのは、「住み替え」が売却理由のトップである背景に、情報の取りやすさ、ライフプランに基づく合理的な判断があるという事実です。
単なる「引っ越し」ではなく、「生活設計の一環としての住み替え」。そんな視点で次のステップを考えるヒントになれたら幸いです。
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